環境リスク観測のプロジェクトにおいて日本との連携

 アルゼンチン科学技術省当局は「南米における大気環境リスク管理システムの開発」プロジェクトの評価会の訪問を受けました。

 潜在する環境リスクを解析するための大気観測システム開発プロジェクト「南米における大気環境リスク管理システムの開発(SAVER-Net)」に関して、科学省は情報共有のため独立行政法人国際協力機構(JICA)の代表者と会議を行いました。アルゼンチンの防衛研究戦略開発部(UNIDEF)とチリのマゼラン大学、そして日本のJICAによる三国間のプロジェクトです。

 会議は科学技術省科学技術協力庁のAugustín Campero局長が進行を行い、アルゼンチン国家科学技術審議会Alejandro Ceccatto会長、JICAアルゼンチン事務所 武田浩幸所長および日本の研究チームが参加しました。科学技術センターにて開催されたこの集まりには、危機管理委員会顧問Lic. Miguel Martín氏と国際関係代表Ing. Áueda Menvielle氏も参加しました。

 今回の会議では2018年のプロジェクト終了までの予算および科学支援継続の後押しを目指し、主にオゾン層、紫外線、大気中の浮遊エアロゾル(火山灰・パタゴニア地域の粉塵・生物系粒子)のモニタリングプロジェクトの進捗について中間評価が行われました。そして同様の意図で、全世界的に気候変動の影響を受けている現状においては大気環境リスク管理の判断のための高性能な観測による警告システムの構築が科学発展と社会貢献性をもたらし、2013年のプロジェクト開始以降大きな進展があったという点が強調されました。

 上記のとおり、Campero氏は本件のようなプロジェクトにおいて得られる副次的な利益を主張しました。あらゆる重要な社会問題に関して、その解決へ向けた知識の進歩やその推移、または応用法の交流を三国間や各組織、科学学問のコミュニティー同士で深めるという役割も果たしているのです。

 Ceccatto氏は自身の発言の折に「アルゼンチン国家科学技術審議会としては機関の主軸のひとつがこの企画のような革新的なプロジェクトを通して科学技術分野の国際化を進めることであるため、これに則り出資の継続を約束する」と述べました。閉会にあたり、参加した科学関連機関は本プロジェクトの継続と互いの研究の発展に繋がる情報共有についての相互協力体制を保障する意向を固めました。

「南米における大気環境リスク管理システムの開発(SAVER-Net)」の背景
 20134月にアルゼンチン、チリ、日本の政府は、色々な要因で発生するエアロゾル(自然資源や農作物、航空、そして様々な生態系を深刻に脅かしている火山灰など)の調査のための三国間プロジェクトを実行する協定を結びました。そうして、地表からほぼリアルタイムで観測ができる大気モニタリングシステムの構築を目的としたSAVER-Netのプロジェクトが発足しました。このシステムは地球の観測において不足している地域をカバーし、大気環境の三大リスクをモニタリングおよび評価することを可能にします。
各省庁や関係各機関は紫外線・エアロゾル・その他の要因による地域社会へのリスクや被害を最小限に抑えるために大気環境リスク管理システムを利用することができます。

アルゼンチン危機管理委員会(CTGR)について
アルゼンチン科学技術生産革新省の科学技術協力部に所属する危機管理取組委員会は、様々な組織と国家機関によって構成されています。通常は公共機関が作成している自然災害の情報や関連する技術を連携させるため設立されました。この団体の目的は、治安省に属する市民保護災害有事対策局次官および国防省といったその他の支援機関が判断材料にできるような確実な情報を収集し発信することです。

(出典:科学技術生産革新省)

 SAVER-Netプロジェクトは、エアロゾル、オゾン層、UV放射の状態を監視することにより、大気環境リスク管理システムです。

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